主宰高橋におけるSIAFへの関心について

2019年6月5日に呟いた一連のツイートについて、下記の通りブログにも転記しておきます。
Facebookページに投稿した後で「こんな長文ブログに書けばいいじゃないか」と気づきました。
久しぶりの投稿、あれこれ手際悪くすみません。すんーごく長いので、暇な方だけ読んでいただけたら。


SIAF(札幌国際芸術祭)に対して、「良くも悪くも興味が失せている」と以前にツイッターで呟いていて、気が向いたらその理由呟くと言っていたのだけど、それが2018年11月6日のことで、随分と日が経ってしまっていた。自分語りでしかないのだけど書いておく。

SIAFについては一応2014年の第1回目から薄ぼんやり知ってはいて、ただ当初自分はギャラリー巡りなどアートを見て歩くことをまだまだやってなかったので、SIAF2014についても「通りがかりに地下歩行空間での展示をチラ見する」くらいだった。

地下歩行空間での展示の見せ方は安っぽく見えたし、「地元にも作家はいっぱいいるだろうに、なぜ地元の作家をもっと前に出さないのだろう」という不満もあったり、そもそも何をやろうとして何をやっている何なのか分からなくてイラっとしたりもしていて、私の中で不評だった。

(今はもうちょっと、「いわゆる現代美術てこういうのかな?」という美術作品の鑑賞にも慣れてきたのでもうちょっと作品の中身を見られるだろうか。鑑賞する機会は増やしているがあんまり勉強できていないので…)

そんなこんなで「SIAFて、なんかいけ好かなくてスッキリしないわあ…」というのをずっと抱えていて、でも「単に文句言っているだけなのもなんかなあ」と思い「じゃ、いっそのこともっとそのスッキリしないとこに向かってみよう」と思って、「SIAFについてのモヤモヤしたアレ」という企画を始めることに。振り返ってみるとそれがどうやら2016年の夏のことらしい。ちなみにこの企画名は アートファンのクマリカさんが呟いていたのを「まさにそれだ!」と思い、お願いしてお借りした。感謝。

「モヤモヤしたアレ」では主に座談会を開催していた。不思議なことに、こんな企画名なのだけど参加者には「モヤモヤしている人」「SIAFファン」「SIAFに関わっている人」「SIAFのこと一切知らない人」色々いらした。不思議だったけどとにかくそういう縁があった。とても良かった。

そして、「SIAFのこと一切知らない人」はともかく、みんな結構喋るんだな…話したいこといっぱいあるんだな…主宰高橋だってもっと喋りたいはずなのに一緒にやいやい言うよりファシリテーターの役やるだけで手一杯になること多かった…。いやいいんだけど。

そうした座談会でのお互いの話や、例えばツイッターなどで各人が発信されている意見を見て、私の場合は「自分が感情的にモヤモヤしている」と「どこをどう評価しようとするのか」とかが整理されていった感じ。ちょっと言葉足りないけどそんな感じ。そしてもちろん専門家的評価じゃない。

で、SIAF2017も開幕となって本来ならこの企画も活動を活発にしてなくてはならないのだけど、実はこの企画の主宰高橋は作家活動もしていて、何にも考えずに引き受けた個展が2017年9月25日からの会期。一方、SIAF2017は8月6日から10月1日。個展準備期間と丸かぶり。

個展をどんな内容のものにしようか考えるわけだけど、さっきも書いた通り、色々な場で色々な感想・意見が飛び交ったりする中で「モヤモヤする」という自分の感情ももっと客観的に見なくてはと思ったし、実はSIAFへの批判で自分に返ってきてしまうものもあったし、一方でSIAFファンによる応援・擁護などの意見も、申し訳ないけどちょっと気持ち悪く感じることあって「そうだ、個展でこれを描こう」と思った。中身は決まったもののこの頃はなんだか絵がうまいこと進められず、個展向けの制作も本当にギリギリだった。

「もし間に合わなかったら過去作品だけ並べる作品展にしよう」とズルいこと考えていて、告知なども打っていなかった。SIAF2017を見て歩くどころじゃなくて、街中でちょいっと行けるとこだけササッと見ていた。

結局、個展に向けた作品の全部が完成したのは搬入の日の朝で、まあなんとか搬入した。それが第12回個展『幻の椅子−テレビとバナナとブーメラン−』になっていった。

個展内容の説明にSIAFとかモヤモヤしたアレの話が出てこないじゃないか」と思われるだろうけど、自分が「どうなんだろう」と思った一連のことはSIAF周りにだけ関わることでないと思ったので、もっと一般的なところに話を持っていった。あと、宣伝にSIAFが混ざる感じにしたくなかった。

この自由空間という会場はホントに単なる飲食店街の一角の空きスペースなんだけど、当時、美術家で元ギャラリーたぴおのオーナーである林教司さんが運営を担っていて「ここを使って個展しないか」と声をかけてくださったのだった。

林さんは同じフロアにあったレノールという喫茶店をやっていたので搬入は私一人でやったのだけど、出来上がった展示を見て林さんが「良い展示だ」と言ってくださって、途中で諦めなくて良かったと思った。「間に合わなくて過去作だけを」になってしまうのは自分としては情けなかったし。

その林さんは、私の個展の会期終了直前に入院されて、結局そのまま帰らなかった。私は本当にちゃんと個展として展示仕上げて良かったと思った。

個展の内容がそういう経緯で出来上がっていったものだったものだから、SIAFに対してのモヤモヤも割とそこで発散してしまったのではないか、というのが「関心失せた」の一つの要因ではないかと推測している。あと、前より忙しくなった。

2017年6月にベネチアビエンナーレとドクメンタとミュンスター彫刻プロジェクトを巡ってきたことが関係しているかどうかについてはあまりピンとこない。関係なさそうだけど。

まあ、そんなようなことです。本当に、色々なことが個人的なこと。次のSIAF2020については、とりあえず行けるトークなどは行くと思うけど、プログラムとかにどのくらいモヤモヤして、どのくらい興味持つかまだ不明。

ただ、「それぞれ違う立場・意見の人がお互いにそこそこ遠慮なく話せる場」としての意義はあるのかなと思うので、時間の都合ついて気が向いたらまた座談会などやるかもです。その時はどうぞよろしく。全部読んでくれた方、ありがとう。
終。

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